僕がバイオリンを弾く理由(わけ) 西村すぐり著 スカイエマ絵 ポプラ社
この本は、ボランティアをしている小学校の図書室にあります。
以前から、読んでみたいと思っていましたが、結構人気本で、子どもたちが借り出していて、なかなk図書室にありません。
月曜日の図書館開放の時、たまたま戻っていました。
それも違う棚に...(^^ゞ
で、さっそく借りてきて読んでみました。
まあ、あらすじは、広島から神戸まで、わざわざバイオリンを習うために一人で先生の家に下宿している、11歳の小学生のお話です。
コンクールの日、自分は絶対に残れると思っていた最終選考8名の中に、自分の名前がなかった、ということから始まります。
同じ教室で指導を受けてる小学生の女の子は通ったのに...。
納得できない少年カイト。
しかも、見に来てくれるはずだった両親も来てくれなかった。
その後、下宿している先生の奥様に連れられた入ったレストランで、両親が来れなかった理由を聞きました。
母親が来る途中の車の中で急病になって、来れなくなったという...カイトはそのままレストランを飛び出し、故郷、広島に向かいます。
その途中の電車で、カンナという、バイオリンケースを持った女性に出会い、1枚の楽譜と、メールアドレスを渡されます。
そして、広島で原爆記念日に祈念コンサートをやるから見に来てほしいと...。
広島に戻ったカイトは、バイオリンをやめると決めてしまって、バイオリンに触ろうとすらしません。
となりのおばあさん、タズさんに、
「カイトはこの頃、フィドウをひかんのか?」
と、たびたび言われる。
でも、ひかない。
タズさんに、ピアノでダンスの曲を弾いたあげたら、タズさんは喜んで踊りだした。
そのことがきっかけで、カイトはこっそりと、女性、カンナにもらった楽譜を開いて、最初はピアノで、そしてバイオリンで弾き始める。
もちろん、両親にはみつからないようにこっそりと...。
そしてその曲に込められた思いを感じ取り、そのことから、本当の自分を見出していく。
こんな物語だった。
正直、うさママも、人からよく見られたいという思いは、現役時代強かった。
そして、他人のようになりたいと思い、出来もしないのに真似をしては失敗をかさねた。
無理がたたって、病気になり、仕事も家事もろくにできなった今、ようやく本当の自分に帰れたようにに感じている。
道端の草や花に感動し、空をながれる雲に感動し、アゲハの幼虫の成長に喜びをみいだし、月の満ち欠けさえいとおしい。
そして大好きな本や子供たちに囲まれるボランティア活動も楽しいひと時である。
等身大に生きる、ということの素晴らしさを、今は身をもって味わっている。
病気にならなければ味わえなかった喜びと幸福感。
母には心配をかけ、「なんでこんな、やかな(ダメな)人間になったじゃや」、と嘆かれている。
それでもいい。
今がうさママにとっては、人生で一番幸せな時だと言い切れる自分がいるから。
カイトの経験はうさママにも共通するものがあります。
人間、華やかな舞台だけが幸せな人生ではないのですね(^0_0^)