お菓子な日々

お菓子作り大好きなおばさんのブログです。

おじさんのかさ 佐野洋子 作・絵

うさママ地方、昨夜から本日午前中まで、本降りの雨。
 
空梅雨かと思うほど降らなかったのですが、ここにきてようやく、の感です。
 
しかし、朝からお話し会に行く身はたまりません。
 
わが身濡らしても本は濡らすな!!です。
 
本をスーパーの袋で包み、カバンに入れ、そのかばんを大きなゴミ袋で
 
すっぽり覆い、抱きかかえるようにして家を出ました。
 
学校についたら、靴とズボンのすそはしっかり濡れてましたが、幸いカバンの中身は大丈夫。
 
ほっとしました。
 
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「おじさんのかさ」
 
「100万回いきたねこ」の佐野洋子さんの作品です。
 
表紙のおじさん、傘をしっかり抱えて、大事そうに持って歩いています。
 
雨は降っていませんね。
 
このおじさん、とても立派な傘を持っています。
 
そして、どこへ行くにもかさを持って出かけます。
 
物凄く大事にしています。
 
どのくらいって?
 
あなね、雨が降っても、絶対にかさをささないくらいにね。
 
だってかさがぬれるからです。
 
「すこしくらいのあめは、ぬれたまま あるきました。
かさが ぬれrからです。」
 
「もうすこしたくさん あめがふると 、
あまやどりをして、あまが やむまで まちました。
かさがぬれるからです。」
 
この辺まで来ると、子供たちの中から、「ふふっ」と笑う声や、
「意味ないじゃん」という声が聞こえてきました。
 
 
「いそぐときは......しらないひとのかさに はいりました。
かさが ぬれるからです。」
 
 
「もっと もっと おおぶりのひは......うちのなかにいました」
 
もう子どもたち失笑しています。
 
さて、ある日おじさんが公園で休んでると、雨が少し降ってきました。
 
小さな男の子が雨宿りに走ってきて、おじさんに、かさに入れてくれるよう頼みましたが、聞こえないふりです。
 
小さな男の子の友達の、小さな女の子の友達が通りかかり、その男の子を一緒にかさに入れてくれました。
 
そして二人でこんな歌を、大きな声で歌いながら帰っていきました。
 
「あめがふったら ポンポロロン
あめがふったら ピッチャンチャン。」
 
二人が遠くに行っても
 
「あめがふったら ポンポロロン
あめがふったら ピッチャンチャン。」
 
おじさんもつられて こえをだして いいました。
 
「あめがふったら ポンポロロン
あめがふったら ピッチャンチャン。」
 
ほんとかなあと立ち上がったおじさん、とうとう傘を開いてしまいました。
 
「あめがふったら ポンポロロン......」
 
といいながら、とうとう あめのなかへ おじさんとかさは はいっていってしまいました。
 
おじさんの りっぱなかさに あめがあたって ポンポロロン
 
いろんなひとが ながぐつをはいて あるいているおとが、下の方で
 
ピッチャンチャン。
 
「ほんとだ ほんとだあ。
あめがふったら ポンポロロンだあ。
あめがふったら ピッチャンチャンだあ」
 
すっかりうれしくなったおじさん、傘をさして家に帰りました。
 
「ぐっしょりぬれたかさもいいもんだなあ。
だいいちかさらしいじゃないか」
 
奥さんがビックリ!!
 
「あら、かさをさしたんですか、
あめがふっているのに。」
 
子どもたちもニコニコして一心にこちらを見て聞いています。
 
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うさママ、この本が印象的なのは、子供のころの自分の体験と重なるからです。
 
水害常襲地帯で、貧しい農村の貧しい農家に生まれ育ったうさママ。
 
新しいものを買ってもらうなんてことはめったにあるものじゃありません。
 
それがある、雨が降りそうな日、朝、母が、
 
「帰りに農協で、傘を買っておいで」
 
と言ってくれたのです。
 
学校の帰り、雨が降ってました。
 
新しい傘を手にしたうさママ、その傘を大事に抱えて、雨の中を走って帰りました。
 
大事な大事な新しい傘、母に見せるまで、使うなんて考えられません。
 
おかしな姿だったでしょうねえ、あとから思えば。
 
でもそのくらい大事だったのです。
 
かさがぬれるから、大事に胸に抱えて走った子供時代の自分に、このおじさんが重なります。