おばけとモモちゃん 松谷みよ子/文 武田美穂/絵 講談社
作童話『ちいさいモモちゃん』の絵本版。(出版社の紹介文あ9
モモちゃんは、おばけがほしくてしかたありません。ある日、10円玉をひとつもって、おばけを買いに出かけます。ところが、どこにも売っていません。そのとき……。
モモちゃんは、おばけがほしくてしかたありません。ある日、10円玉をひとつもって、おばけを買いに出かけます。ところが、どこにも売っていません。そのとき……。
先日亡くなった、松谷みよ子さんの作品。
確か、ご自分のお子さんになさったお話を絵本になさったのが「小さいモモちゃんシリーズ)。
この本もその一つです。
モモちゃんが、10円玉1個握りしめ、
「ちょうだいな。おばけを ひとつ ちょうだい」
と、おもちゃやさんに行っても、動物やさんに行っても、八百屋さんにもお菓子屋さんにもありません。
とうとうモモちゃん、
「おばけちゃあん、どこにいるの。一つくださいな。
おばけやさんは どこですかあ。」
とさけぶと、ドドーンとものすごい音がして、一軒の家が目の前に突っ立ちました。
おばけやって書いてあります。
小さな小さな戸が一つ。
そこを開けてもぐりこむと…
人魂や、幽霊や、一本足が出てきますが、モモちゃんはどの幽霊も泣かしてしまいます。
とうとうおしまいに出てきたのっぺらぼう、モモちゃんはのっぺらぼうにお顔を描いてあげます。
そして、
「きいめた、この おばけ、くださあい。」
と十円置いて、のっぺらぼうをだっこして帰りました。
後に残ったお化けたち、悔しがってワーワー泣きました。
このお化けたちの泣いてる絵がまた面白い。
本当に悔しそうな絵です。
最後のページは、モモちゃんとのっぺらぼうがおままごとをしている絵。
ひとだまが、なぜかにこにこして、横に座っています。
そして裏表紙。
モモちゃんと、のっぺらぼうと、火の玉が歩いています。
3人?の様子に、子供たちはどんな想像をしたのでしょうねえ。
ココは余韻を残して終わりたい。
ところが、最後の絵に行く前に、最後まで色塗りをしていた男子、
「おしまい」
といいました。
そこでうさママ、
「ま~だだよ~♪」
「おしまい」
「ま~だだよ~♪」
「♪お~し~まい♪」
目くじら立てるのは大人げない。
ココはさらりとかわしました。
見てない、聞いてないようで、聞いて、見ているのね。
他のことしてるからって、関心がないわけではない。
色塗り、止めて集中してくれるのが一番ですが、どうしてもやめない子に強制はできません。
そんな子も、本に興味を持ち、自分で好きな本を選んで読めるようになってほしい。
それが私たちお話しボランティアの願いです。
ピカピカの新一年生たち。
楽しい絵本、科学読み物、歴史もの、工作など、いっぱい図書室には本があるよ。
たくさん読んでね、という思いで、教室を後にしました。
最後の画像は、ご近所さんが咲かせておられる牡丹の花。
見事な牡丹色に、思わず目は釘付けになりました。