田舎の彼岸花
火、水と帰省した田舎は、彼岸花が満開でした。
刈り取りの終わった田んぼの畦や
線路の土手、
鹿よけ作の向こうのにも
たくさんの彼岸花が咲いていました。
住む人のいなくなった屋敷跡。
堤防の刈り取られた草のキワにも、彼岸花の赤い列が続きます。
カレンに揺れるコスモスの向こうに、高台に建つ民家が見えます。
私の田舎は、昔から洪水常襲地帯。
多くの家は、石垣を積み上げたり、高台に逃れたりして、洪水から身を守ってきました。
その故郷も、今は過疎化の波に襲われ、子供の声がしなくなり、老人と高齢に差し掛かった独身男性が残っています。
若い者は皆んな、街に出て行った。
年寄りばかりが残ってる、と母は嘆きます。
先日なくなったお連れも一人暮らし。
家は空き家になります。
仏さん、どうするんやろ?
と、母は案じていました。