シモンのおとしもの バーバラ・マクリントック作 福本友美子訳 あすなろ書房
今から100年ほど前のフランスの、パリが舞台のお話です。
シモンという、うっかり物の男の子が、学校からおうちに帰るまでに落とす、おとしもののお話。
表紙に見開きには、前後ともパリの地図と、シモンと姉のバーバラの歩いた道が示してあります。
挿絵はセーヌ川や美術館、博物館、地下鉄の駅、公園、通りの様子、
喫茶コーナーのあるお菓子屋さん、ノートルダム大聖堂、シモンのおうち
などの外観や内部の様子など、パリの街の様子が細かく、丁寧に描かれています。
先日の読み聞かせの対象は3年生。
最初に100年ほど前のパリが舞台の、シモンといううっかり者の男の子のお話しである事、
そして、表紙の絵を見せ、
〝この男の子がシモンです。
服装や持ち物をしっかり見ておいてね”
と前置きしてから始めました。
場面は、姉バーバラが弟のシモンを学校名前まで迎えに行くところから始まります。
ソモンの格好は
〝セーターの うえに うわぎを きて、
ぼうしをかぶり、マフラーと とぶくろをしています。
カバンをせおい、ほんとクレヨンと
がっこうでかいた ねこの絵を持っています。”
バーバラが言います、
「シモン、きょうは おとしものを しないように かえろうね。」
シモンは答えます。
「うん、だいじょうぶ。」
さて、おとしものをせずに、家まで帰れるでしょうか?
これが裏表紙。
シモンが家に帰り着いたときの格好です。
ねこの絵から始まって、本、マフラー、右のてぶくろ、左のてぶくろ、ぼうし、
クレヨン、かばんと次々失くし、最後は着ていた上着やセーターまでなくなってしまいました。
子どもたち、絵を見て、お話を聞きながら、
「わあ、マフラー(なくしたん)や」
「カバンがない」
とか、笑いながらつぶやいています。
最後に、表と裏のシモンの格好を見比べてもらうと、
「わあ、裸になる~~!!」
と笑っていました。
ここまでおとしものをするうっかり者は、そうはいないでしょうねえ。
読み手であるうさママも、聞いてる子供たちも、終始笑顔のお話し会でした。
こういうすてきな本に、また会えたらいいなあ。